ビットコインを保有している会社とは何か?
ビットコインを保有している会社とは、企業の財務準備資産(トレジャリー・リザーブ)として、法定通貨の価値下落リスクの回避や資産価値の最大化を目的に、自社のバランスシートにビットコイン(BTC)を組み入れている企業を指します。
2020年以降、米国上場企業であるMicroStrategy(現Strategy Inc.)がこの戦略を先導し、現在では日本国内の上場企業の間でもビットコインを保有する動きが加速しています。本記事では、主要なビットコイン保有企業のデータと、企業が暗号資産を保有する戦略的意義、そして投資家が注目すべき指標について解説します。暗号資産の運用を検討している個人投資家にとっても、法人マネーの動向を理解することは、市場の長期的なトレンドを把握する上で極めて重要です。
ビットコイン保有の背景と目的
企業が伝統的なキャッシュ(現金)ではなくビットコインを保有する最大の理由は、「インフレヘッジ」と「価値の保存」です。中央銀行による法定通貨の供給量増加に伴う購買力の低下に対し、発行上限が2,100万枚と限定されているビットコインは、デジタル・ゴールドとしての評価を確立しています。
また、余剰資金をビットコインに振り向けることで、資本効率を向上させ、株主価値を高めるという「財務戦略の高度化」も目的の一つです。特に低金利環境が続く中、ビットコインの長期的な価格上昇期待は、企業の純資産を大きく膨らませる可能性を秘めています。
主要なビットコイン保有企業(グローバル)
世界のビットコイン保有企業の中でも、圧倒的な存在感を放つのがStrategy Inc.(旧MicroStrategy)です。同社はソフトウェア事業の収益だけでなく、転換社債の発行などによる資金調達を駆使してビットコインを買い増し続ける「MSTRプレイ」を確立しました。
2024年5月の報告によると、Strategy社は一時的に含み損を抱える場面もありましたが、依然として84万3,700 BTC超を保有する世界最大の保有企業です。また、イーロン・マスク氏率いるテスラ(Tesla)も、決済手段としての採用検討や一時的な売却を経て、現在も主要な保有企業として名を連ねています。
グローバル主要保有企業のデータ比較
| Strategy Inc. (MSTR) | 843,700+ | 転換社債を用いた積極的な買い増し、世界最大の保有者 |
| Tesla (TSLA) | 9,700+ | 一時期の大量保有から一部売却、現在は長期保有 |
| MARA Holdings | 20,000+ | マイニング企業として自社採掘分を売却せず蓄積(HODL) |
出典:Bitcoin Treasuries / 各社財務報告(2024年6月時点)
上記の表からわかる通り、マイニング企業であるMARAなどは、事業そのものがビットコイン供給に直結しており、保有量を増やすことが企業成長のKPIとなっています。一方で、Strategyのような非マイニング企業がこれほどの規模で保有を続けるのは、ビットコインを「資本」そのものと定義しているためです。
日本のビットコイン保有企業
日本国内でもビットコインを保有している会社が急速に増えています。その筆頭が、東証スタンダード上場のメタプラネット(3350)です。同社は「アジア版MicroStrategy」を標榜し、1万BTCの保有を中長期的な目標に掲げ、ビットコイン価格に連動した企業価値の向上を目指しています。
また、オンラインゲーム大手のネクソン(3659)は2021年に約111億円分のビットコインを購入し、長期保有を継続しています。最近ではリミックスポイント(3825)や、アパレル関連のANAP(3189)、マックハウス(7503)など、業種を問わず財務戦略の一環としてビットコインを導入する事例が相次いでいます。これらの企業は、日本国内の厳しい税制の中でも、企業の競争力を高める手段として暗号資産を選択しています。
投資家にとってのメリットとリスク
ビットコイン保有企業の株式を購入することは、間接的にビットコインへ投資することと同義です。これにはいくつかのメリットがあります。
メリット
・税制上の優位性: 日本では個人がビットコインを直接保有し利益を得ると「雑所得」として最大55%の税率がかかりますが、株式売却益であれば申告分離課税の20.315%に抑えられます。
・管理の容易性: 秘密鍵の管理やウォレットのセキュリティを自ら行う必要がなく、証券口座で完結します。
リスク
・高いボラティリティ: ビットコイン価格が下落すると、保有企業の純資産が目減りし、株価が急落するリスクがあります。
・規制と会計基準: 暗号資産の時価評価に関する会計ルールは流動的であり、四半期決算の数字に大きな影響を与える可能性があります。
関連指標とツール
投資家がこれらの企業を評価する際、従来のPERやPBRだけでなく、新たな指標が活用されています。その一つが「mNAV (Market Net Asset Value)」です。これは企業価値を、その企業が保有するビットコインの時価総額で割ったもので、株価がビットコイン保有量に対して割安か割高かを判断する材料となります。
また、Strategy社が提唱した「BTC Yield」という指標も注目されています。これは、発行済み株式一株あたりのビットコイン保有量が期間中にどれだけ増加したかを示すもので、株主の持分に対するビットコインの蓄積効率を測定します。
今後の展望
ビットコイン現物ETFの承認により、機関投資家による保有が一般的になる中、今後さらに多くの企業が財務資産としてビットコインを採用することが予想されます。特にBitgetのようなグローバルな取引プラットフォームでは、1,300種類以上の銘柄を取り扱い、3億ドル規模の保護基金(Protection Fund)を運営するなど、法人・個人問わず安全な取引環境を提供しています。企業によるビットコイン保有は、もはや一時的なブームではなく、デジタル化するグローバル経済における新しい財務基準(スタンダード)へと進化しています。
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